ジャスパー・ジョーンズ

1962
1
作家名

ジャスパー・ジョ―ンズ

制作年

1962

素材・技法

油彩、オブジェ/カンヴァス

サイズ

91.4×71.0cm

収蔵番号

JJ-002

© 2026 Jasper Johns / ARS, New York / JASPAR, Tokyo E6362

ジャスパー・ジョーンズは、1960年頃までにすでに筆、缶、測定器具、ストレッチャー、ワイヤーなど、アトリエにあるさまざまな道具を作品に取り入れていました。しかし、それらを単なるモチーフとしてではなく、「アトリエ」や「絵を描く行為」そのものを想起させる形で組み合わせ始めたのは1962年頃からでした。その流れの中で、《フールズ・ハウス》(1961–62)や《アトリエ》(1964)が制作されています。
《フールズ・ハウス》では、カンヴァスに吊るされたほうきが絵筆を表し、右端のカップはパレットの役割を果たしています。日常の道具と絵画制作の道具は同列に扱われ、それぞれに矢印とともに言葉による「名前」が記されることで識別されています。ジョーンズはこの頃から、物に名前を与えラベリングする表現を用いるようになり、私たちが当然のように結びつけている「物と言葉」「視覚と言語」の関係、さらにはそこから生み出される意味について問いかけました。
本作では、ほうきはより明確に絵筆へと置き換えられています。柄に「Blue Jay」と記された絵筆の先端には青い絵具が付き、その青はカンヴァス上へ塗り広げられています。絵筆は上下のネジ穴に張られた2本のワイヤーの間に吊り下げられ、その下には金属製の滑車が取り付けられています。そしてここでも、物体は言葉と矢印によって示されています。
さらに画面左側には、二つの「M」の文字が描かれています。この「M」は、言語とイメージの関係を探求した René Magritte の頭文字とも、また Marcel Duchamp の頭文字とも解釈されています。
デュシャンが既製品や大量生産品を芸術へと持ち込み、美意識や芸術制度そのものを問い直したのに対し、ジョーンズは絵画という伝統的な媒体を用いながら、その表面を日常的なイメージや実物のオブジェと結びつけました。そして、身近な道具を実際に使い、それに言葉を与えることで、絵画の物質性と制作行為、さらには日常と芸術の境界について探求したのです。

ジャスパー・ジョーンズ

作家名

ジャスパー・ジョ―ンズ

制作年

1962

素材・技法

油彩、オブジェ/カンヴァス

サイズ

91.4×71.0cm

収蔵番号

JJ-002

© 2026 Jasper Johns / ARS, New York / JASPAR, Tokyo E6362

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