中西夏之

作品ーたとえば波打ち際にて Ⅷ

1984
1
作家名

中西夏之

制作年

1984

素材・技法

油彩、木炭/カンヴァス

サイズ

227.0×162.0cm

収蔵番号

NN-025

©︎ NATSUYUKI NAKANISHI

中西夏之は、絵画が成立する場所について、「一枚のデッサン紙を、例えば森から波打ち際まで運ぶ(デッサンの二つの場所の結合として)」と記しています。中西にとって波打ち際とは、陸と海という二つの異なる世界が接する場所であり、絵画もまた、二つの極のあいだに生まれる場として捉えられていました。描くという行為は、その二つの場所を往還しながら、一つの場へと結び合わせる試みでもあったのです。
そのため中西は、絵と画布との距離や身体の位置、動きや振動を強く意識しながら制作を行いました。絵画は単に画面上にイメージを定着させるものではなく、身体が空間の中で動いた軌跡を記録する場でもありました。本作に見られる二つの大きな環は、互いに交差しながら一つの形へと収束していきます。その関係は、《作品―たとえば波打ち際にてⅫ》《L字型―左右の停止Ⅰ》などに現れるL字のモチーフとも通じています。二つの線や面が接し、重なり合い、一つになろうとする瞬間がそこには示されています。
中西は、絵画そのものにも直接手を触れず、約2メートルの長い柄の先に筆を取り付けて制作しました。画面に残されたX字や粒子状の痕跡は、身体の動きによって紡ぎ出された軌跡であり、絵画の平面性と正面性を改めて問い直す試みでもあります。そこでは形を描くこと以上に、二つのものが出会い、重なり、一つの場が生まれる瞬間そのものが主題となっているのです。

中西夏之

作家名

中西夏之

制作年

1984

素材・技法

油彩、木炭/カンヴァス

サイズ

227.0×162.0cm

収蔵番号

NN-025

©︎ NATSUYUKI NAKANISHI

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