辰野登恵子
Work 90-P-8
- 作家名
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辰野登恵子
- 制作年
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1990
- 素材・技法
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油彩/カンヴァス
- サイズ
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227.3×182.0cm
- 収蔵番号
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TT-001
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© Rieko Hiraide, Tsuyoshi Tatsuno
辰野登恵子の絵画では、反復される形象やパターンが、平面の中に豊かな空間的イリュージョンを生み出しています。1980年代以降、辰野はニューヨークの鋳鉄製階段の羽目板に見られる花柄模様や、浴室や洗面所のタイルに使われるような日常的な図柄など、身近なパターンを作品へ取り入れていきました。1980年の《Work 80-P-19》に見られる装飾的なS字形や、それらの連なりから構成される菱形のモチーフもその一例です。
本作では、矩形の連なりが背景へと溶け込むように広がり、その痕跡から新たな菱形の空間が浮かび上がります。これらのパターンは、四角い画面の中に中央が膨らんだ紡錘形の空間を形成し、見る者に複数の解釈を促します。菱形は重みや量感を持った物体のようにも見えますが、一方で内部の濃い色彩によって奥行きを感じさせ、画面の中心から広がる裂け目のように深い緑の空間へ沈み込んでいくようにも見えます。
辰野の描くパターンは幾何学的でありながら、単純な反復には留まりません。それらは近づいたり遠ざかったり、透明になったり不透明になったり、浮遊したり沈下したりと、見るたびに異なる姿を現します。さらに、画面には明確な中心や具体的な主題が存在せず、作品タイトルも《Work》に統一されています。そのため私たちは、そこに描かれた「菱形」そのものだけでなく、それを取り巻く空間との関係にも目を向けることになります。本作は、私たちが当たり前のように認識している形や空間のあり方を揺さぶり、見るという行為そのものを問い直しているのです。
辰野登恵子
- 作家名
-
辰野登恵子
- 制作年
-
1990
- 素材・技法
-
油彩/カンヴァス
- サイズ
-
227.3×182.0cm
- 収蔵番号
-
TT-001
-
© Rieko Hiraide, Tsuyoshi Tatsuno