荒川修作

Gentle Friend

1985
1
作家名

荒川修作

制作年

1985

素材・技法

アクリル/カンヴァス

サイズ

212.2×212.0cm

収蔵番号

AS-003

 

© 2015 Reversible Destiny Foundation. Reproduced with permission of the Reversible Destiny Foundation

本作は、地図、文字、矢印、ブリックパターン、画面を縦横に貫く黄色い線、さらにその延長線上に描かれたカップやワインボトルのシルエットなど、複数の要素が重層的に組み合わされた作品です。タイトルの《Gentle Friend》は、詩人・美術評論家の瀧口修造を指しています。荒川修作は1961年の渡米に際し、瀧口からマルセル・デュシャンを紹介されるなど支援を受けました。その後も両者の交流は続き、瀧口は1979年の<荒川修作展>(西武美術館)のカタログや、同年に出版された『意味のメカニズム』の序文と翻訳を手がけています。画面に描かれた地図は、荒川と瀧口が実際に移動した場所やアドレスを示しています。しかしここでいうアドレスとは単なる住所ではなく、人や物事の「在処」や「方向性」を示すものとして捉えることができます。作品は、瀧口修造という人物を知覚するための一種のマッピングであると同時に、私たち自身を規定する名前、性別、年齢、所属といった社会的・文化的なアドレスについても問いかけています。それらを辿ることで、本当に個人の存在にたどり着くことができるのでしょうか。画面には、本来意味を伝えるはずの文字が無数の矢印によって横切られています。「意図性」「意識」「拡張」「空白(Blank)」「その中を通りぬける」「最初に創出された空間」「形成の過程」といった言葉は、知覚が形成されるプロセスを示唆し、矢印は知覚のエネルギーや運動、流れを視覚化しているようです。さらに、画面を貫く黄色い線は、既存の知覚の枠組みを越え、新たな知覚が生まれる余白(Blank)へと続いています。その線は、荒川と瀧口の交流や対話を想起させるカップやワインボトルへとつながり、固定化されたアドレスを超えて、絶えず変化する知覚や認識が生まれる場としての「アドレス」の可能性を示しているのかもしれません。

荒川修作

作家名

荒川修作

制作年

1985

素材・技法

アクリル/カンヴァス

サイズ

212.2×212.0cm

収蔵番号

AS-003

 

© 2015 Reversible Destiny Foundation. Reproduced with permission of the Reversible Destiny Foundation

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