コレクションのはじまり
当館のコレクションは、西武百貨店池袋店時代の8階催事場、西武美術館、セゾン美術館にて開催された展覧会を通して主に形成されております。
西武百貨店と現代美術の最初の出会いは1961年の「パウル・クレー」展(西武百貨店池袋店内8階催事場)でした。ベルン美術館所蔵作品等100点に及ぶ、日本初のクレーの展覧会は、3年以上に渡る交渉の後に開催され、まだ日本では一般的に知られていなかったクレーを紹介し広める機会となりました。当館が所蔵する《北極の露》(1920)は、生涯で多くの旅をしたクレーよる、想像上の北極の風景です。オーロラのような美しいうねり、リズミカルな山型の氷山、二つの円が表す二つの太陽(空の太陽が溶けた氷の表面に映る様子)が淡く溶けるような色合いで描かれています。当館では、他に《セイレーンの卵》(1939)、《木の精》(1923)、《Büste》(1922)の3作品を所蔵しております。
パウル・クレー《北極の露》(1920)
パウル・クレー《Büste》(1922)
パウル・クレー《木の精》(1923)