森の中、アートを巡る庭園
セゾン現代美術館は、軽井沢の森のなかアートと呼吸する/自然と共生する美術館というコンセプトの元、軽井沢の自然に溶け込む数寄屋造りのような低層の佇まいに造られています。設計は日本を代表する建築家の菊竹清訓氏によるものです。庭園は緑の中を川のせせらぎを聴きながら彫刻作品を巡る回遊式で、全体のプランは彫刻家の若林奮氏による構想です。美術館もしくはカフェをご利用方のみご入園頂けます。
開け放たれた鉄の門からのびる一本の真っ直ぐな道を進むと、葉々の隙間から美術館の姿が見えてきます。二つに分かれる道を、広場のような橋、若林奮<五角形の鉄橋>に誘われ小川を越えると、イサム・ノグチ<雨の山>、安田侃<天沐•天聖>、その遠く先には浅間山がそびえています。彫刻家若林奮によるこの庭園は、浅間山の裾野の延長という構想のもと1985年に制作されました。軽井沢の陽射し、雨、霧、四季による緑や紅葉、そうした自然の色に浸されていくことで、この空間は庭として生きてくるのです。
斜面の脇の細道を行くと、井上武吉<my sky hole 94-5 石のラビラント>の宇宙が広がり、若林によるもう一つの鉄橋から見える小川の畔では、昔はワサビがとれたそうです。視界が開けた芝生には、山本正道<風の音>、吾妻兼治郎<YU-6>、通り過ぎた左手にはイサム・ノグチ<雲の山>、右手には再び浅間山が見えてきます。新緑の頃には立壺すみれ、夏にはオレンジの小鬼百合や金色に近い黄色のおたからこうなどが咲き、小さな発見に満ちた庭には他にも数々の彫刻が点在し、美術館へと道が繋がっていきます。
*美術館もしくはカフェをご利用の方のみご入園頂けます。
- 美術館
- 若林奮 《五角形の鉄橋》
- 若林奮 《正門》
- イサム・ノグチ 《雲の山》
- 若林奮 《斜面のコールテン鋼板》
- 吾妻兼治郎 《YU-6》
- 山本正道 《風の音》
- アルマン 《斧の堆積、または雪崩》
- 若林奮 《鉄橋》
- 脇田愛二郎 《HELIX》
- 井上武吉 《My Sky Hole 94-5 石のラビラント》
- 安田侃 《地人》
- 若林奮 《斜面のコールテン鋼板》
- 篠田守男 《コール・マインTC5102》
- 安田侃 《天沐・天聖》
- イサム・ノグチ 《雨の山》